人類を愛してる

リアルなのが好き

内定は出かけたけど好きな歌手は出ない

最近、ある中小企業のインターンに行った。

 

1dayのプログラムなので、きっと2-30人くらい学生が集まって、グループに分かれたりなんかして、自己紹介とかして、説明会とグループワークを兼ねたような1日になると思っていた。

 

ローソンですぐおにぎりを決めていたらもう少し早く着けたなと反省しながら、集合時間の8分前にビルのエレベーターを降りた。

 

おそらく数分間待機していたと思われるスーツの男女が私を見るなりわかりやすく安堵の表情を浮かべる。挨拶を済ませ、会議室に通される。

 

目に入ったのは机に広げられた2人分の資料。採用担当の方は本日2名の予定ですが楽しくやっていきましょうねとか声を掛けてくださったが、もう1人はついに姿を現さなかった。

 

 

 

5時間半のインターンシップのプログラム。突然の2on1面談。

 

 

 

予定されていたプログラムは2時間早く終わった。大満足の内容。その企業で実際の採用にも使用するという適性検査を受験させてくれた。いくつかの側面から個人の適性を測るというその検査の結果は、どの側面においても私のリーダー性の数値を最も高く示した。みなさまぜひご検討くださいませ。私を。

 

あとの2時間をフランクな質疑応答の時間として設定してくださった。仕事の実際の様子から個人的なキャリア観までたくさんのお話を聞き、充実した時間を過ごした。とても気に入ってくださって、内定の話が二度ほど出かけたが、心の準備ができていない私は勇気が出ずよく考えさせてほしいと返答してしまった。もったいないことしたかも。

 

本題に入ろう。お話の中で、担当の方が何かのたとえ話に使うために、私の好きな歌手を聞いた。

 

私は「このアーティストだから好き」というようには音楽を聴かない。曲ごとに好きになる。結果的に好きな曲が多いアーティストというのができるから、もしかしたらこのアーティストが好きなのかもしれないな、というふうに音楽を聴く。ポップでもロックでもクラシックでもだいたいそう。だから、好きな歌手を聞かれると毎回困ってしまう。

 

でも彼はそんな答えが聞きたいのではない。たとえ話に使うだけだから。適当なことを言え、自分。つっこまれなさそうな、できるだけ最近の大学生らしいアーティスト。だれ?もう2秒は経ったな。まずい。言ってしまえ。

 

「ワンオクです」

 

キマった。ワンオク。完璧。有名な数曲しか知らないけど。あとでたくさん聴くので許してください。

 

就職活動を通して、これからも私はシンプルな質問をたくさん聞かれるのだろう、今回のように。嫌いな食べ物を聞かれて、ラーメンとかチョコミントとかの「世界」が嫌いだなんて答えられない。ちなみにラーメンとかチョコミントとかの「世界」が嫌いなのは本当です。本当に長いので今回は書きませんが、本当なんです。

 

だから、もう、好きな歌手、嫌いな食べ物、好きな動物、嫌いなスポーツ、全部テンプレートの答えを決めようかと考えた。決めてしまえ。自分を知るためのステップなのかもしれない。言うよね、自己分析大事って。

 

でもそんなのって偽のコミュニケーションって感じがして嫌だよと、自分の中の素直な部分が囁く。私は普段から偽のコミュニケーションが大嫌いだ。反吐がでる。美容師が、自分のコミュニケーション力を自分で確かめるかのように、私に出身地や大学の専攻を聞くとき、私は口の中を噛んでいる。興味もないくせに。話を続けられるのなら不満はないが大抵へーそうなんすね、で話が途切れる。話さなくていいよお前もう。

 

それに、好きなものと嫌いなものを全てひとことで言いあらわせる人間、味がなくて気持ち悪いな。ガムの跡が全くない大阪の繁華街みたいで。わかる?

 

家に帰って彼氏に私の好きなアーティストだれ?と聞いた。フレデリックじゃん?と答えてくれた。いつも最適な答えをくれるのは彼氏。これからはフレデリックって言おう。少し好きだから。

 

Fin.

 

 

基本的には音楽を人が好きだからという理由で聴かないと言ったけれど、あれは嘘です。

 

モーモールルギャバンというバンドが好きです。デビューアルバムからずっと好きです。正直ビジュアルは微妙だし、歌は大してうまくないけれど、メロディーが天才的におしゃれで現代的で、歌詞も独特の世界観で、ベースがセクシーで、いいですよ。どうですか?

 

私のオススメの曲

MY SHERRY

悲しみは地下鉄で

いつか君に殺されても

 

おやすみなさい。